■菩薩部

以下、Wikipedia、メイスンキタニ等参考
※(株)メイスンキタニ http://www.mason-kitani.co.jp/

サンスクリット語で「悟りを求めるもの」という意味の菩提薩を略して、菩薩。
菩薩は仏陀となることを目標に修行に励んでいるとともに、仏の慈悲行を実践衆生を救おうとする。
菩薩の修行は、施しを与える、戒律を守る、何事にも耐える、努力する、真理を見極めるための智慧を磨く、仏事の本質を見抜くの6つ。
これを六波羅蜜という。

◇六観音(六道を教化して人々を救済する)
  ┣天台系:聖観音・千手観音・馬頭観音・十一面観音・如意輪観音・不空羂索観音
  ┗真言系:聖観音・千手観音・馬頭観音・十一面観音・如意輪観音・准胝観音
◇七観音:聖観音・千手観音・馬頭観音・十一面観音・如意輪観音・不空羂索観音・准胝観音


○聖観音(しょうかんのん):すべての観音の基本となる菩薩
○十一面観音:11の顔を持つ救済者
○弥勒菩薩:尊釈の次代の仏
○不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん):もれなく人を救う仏
○千手観音:無限の慈悲者
○馬頭観音(馬頭明王):諸悪粉砕怒りの観音
○如意輪観音:願いをかなえる仏
○文殊菩薩:智慧の象徴
○普賢菩薩:行の菩薩
○虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ):求聞持法の本尊
○地蔵菩薩:無仏時代の救世主
○勢至菩薩:阿弥陀の補佐役

○金剛薩埵(散那)
○観音菩薩(観世音菩薩または観自在菩薩の略)
○准胝観音(七倶胝仏母)
○六観音(「観音菩薩」の項を参照)
○三十三観音(「観音菩薩」の項を参照)
○日光菩薩
○月光菩薩
○普賢延命菩薩
○六地蔵(「地蔵菩薩」の項を参照)
○五大虚空蔵菩薩(「虚空蔵菩薩」の項を参照)
○薬王菩薩(「釈迦三尊」の項も参照)
○薬上菩薩(「釈迦三尊」の項も参照)
○八幡大菩薩 - 日本の神道の神である八幡神の別称。
○龍樹菩薩- 地蔵菩薩とともに阿弥陀如来の脇侍となる場合がある。
○四菩薩
○上行菩薩(「四菩薩」の項を参照)
○五大菩薩
○魚籃(ぎょらん)観音菩薩
(妙見菩薩は「天部」に分類)


●聖観音:すべての観音の基本となる菩薩

すべての観音の基本となる菩薩。
大乗仏教で広く信仰され、仏の慈悲の「非」をもって、現世の生活に悩む人の苦しみを救う。
阿弥陀如来の化身と考えられており、頭上には阿弥陀の化仏を付けている。
勢至菩薩と一緒に阿弥陀如来像の脇侍となる場合もある。
「観音経」や「法華経」では、観音菩薩がその姿を変えて、衆生の苦悩に応じて33の姿に身を変える(三十三観音)と説かれている。

◇三十三観音(さんじゅうさんかんのん):
楊柳観音(ようりゅうかんのん)・龍頭観音(りゅうずかんのん)・持経観音(じきょうかんのん)・円光観音(えんこうかんのん)・遊戯観音(ゆげかんのん)・白衣観音(びゃくえかんのん)・蓮臥観音(れんがかんのん)・滝見観音(たきみかんのん)・施薬観音(せやくかんのん)・魚籃観音(ぎょらんかんのん)・徳王観音(とくおうかんのん)・水月観音(すげつかんのん)・一葉観音(いちようかんのん)・青頸観音(しょうきょうかんのん)・威徳観音(いとくかんのん)・延命観音(えんめいかんのん)・衆宝観音(しゅうほうかんのん)・岩戸観音(いわどかんのん)・能静観音(のうじょうかんのん)・阿耨観音(あのくかんのん)・阿摩提観音(あまだいかんのん)・葉衣観音(ようえかんのん)・瑠璃観音(るりかんのん)・多羅尊観音(たらそんかんのん)・蛤蜊観音(こうりかんのん)・六時観音(ろくじかんのん)・普悲観音(ふひかんのん)・馬郎婦観音(めろうふかんのん)・合唱観音(がっしょうかんのん)・一如観音(いちにょかんのん)・不ニ観音(ふにかんのん)・持蓮観音(じれんかんのん)・灑水観音(しゃすいかんのん)


薬師寺・聖観音菩薩像

不退寺・聖観音菩薩像

滝山寺・聖観音菩薩像

滋賀県余呉町・東林寺:
聖観音菩薩

滋賀県余呉町・白木山:
聖観音菩薩

滋賀県高月町・赤後寺:
千手観音立像、
聖観音立像

●十一面観音:11の顔を持つ救済者

ヒンドゥー教の十一荒神が強化されたもので、変化観音の中では最も早くからインドで成立。
頭上に十一の顔があり全ての方向を見つめて人々を救済。
・前3面:菩薩面(穏やかな顔、慈悲を現す)
・左3面:分怒面(悪人を戒める)
・右3面:狗牙上出面(優しい顔、人々を励ます)
・後一面:大笑面(大笑いしている顔、悪行を笑い飛ばす)
・頂 上:仏面(仏道に入った人に教えを説く)
各面は阿弥陀仏の宝冠を頂いている。


聖林寺・十一面観音立像

法華寺・十一面観音立像

 

海住山寺・十一面観音立像

當麻寺・中之坊・
十一面観音立像

壷阪寺・十一面千手千眼観音坐像

滋賀県余呉町・安養寺:
十一面観音菩薩

滋賀県高月町・冷水寺:
十一面観音坐像

滋賀県高月町・大円寺:
十一千手面観菩薩

滋賀県高月町・
向源寺(こうげんじ)・

渡岸寺(どうがんじ)観音堂:
十一面観音立像
 

滋賀県高月町・円満寺:
十一面観音立像

滋賀県高月町・円満寺:
十一面観音坐像(本地仏)

滋賀県木之本町・石道寺:
十一面観音菩薩

滋賀県木之本町・医王寺:
十一面観音菩薩

滋賀県高月町・浄光寺:
十一面観音立像

滋賀県高月町・
充満寺西野薬師観音堂:
十一面観音菩薩

長谷寺・十一面観音

室生寺・十一面観音

 

●弥勒菩薩:尊釈の次代の仏

釈迦の後継者、南天竺のバラモンの名家に生まれた実在の人物。
弥勒は現在、兜率天で菩薩として修行中であり、釈迦入滅後56億7千万年(太陽系の余命とほぼ一致)後に如来となり衆生を救うとされている菩薩。
弥勒菩薩はインドではマイトレーヤとよばれ、インド宗教と兄弟関係にあるゾロアスター教ではミトラ神に対応する。
しかし、ミトラ信仰はゾロアスター教よりも古いもので、契約の神・天空神・光明神・冥界の裁判官でもあった。


中宮寺・
弥勒菩薩(菩薩半跏思惟像)

滋賀県湖北町・小谷寺:
弥勒菩薩(如意輪観音菩薩)

 

●不空羂索観音:もれなく人を救う仏

不空とは、願いが空しくないという意味で、羂索とは、戦いや狩猟に用いる環のついた投網。
菩薩の網でもれなく苦悩するすべての人々を救いとる。


興福寺南円堂・
不空羂索観音菩薩像

東大寺三月堂(法華堂)・
不空羂索観音菩薩像、
日光・月光菩薩像

 

●千手観音:無限の慈悲者

千臂千眼観世音、千臂観音、千光観音、千眼千首千舌千足千臂観自在ともいい、正しくは千手千眼観世音菩薩と呼ぶ。
ちなみに千とは無量円満を意味する。
全ての生き物と人々を救う事を象徴し「大悲観音」とよばれる。
曼陀羅で蓮華部の中で最高の威徳を有する事から「蓮華王」とも呼ばれる。
実際、千本の手がある仏像はまれで、だいたいは42本限られ、各手には持物を持つことになっている。
また、十一面観音のように頭上に十一の顔があり、眷属として二十八部衆がつく。


葛井寺・
十一面千手千眼観世音菩薩像

滋賀県高月町・正妙寺:
千手千足観音立像

滋賀県高月町・赤後寺:
千手観音立像、
聖観音立像

滋賀県木之本町・観音寺:
千手観音菩薩

●馬頭観音(馬頭明王):諸悪粉砕怒りの観音

頭上に馬の頭があるので、馬頭観音と呼ばれるが、梵名をそのまま訳して、大持力明王または、馬頭明王とも呼ばれる。
忿怒の形相で表されるため、この形相で様々な苦悩や災難などの諸悪を粉砕する。
また、馬頭観音は家畜や荷物を運ぶ馬の守り神として路傍の石仏にも多く見られる。


滋賀県余呉町・万福寺:
馬頭観音菩薩

●如意輪観音:願いをかなえる仏

変化観音の一つで、梵名はチンターマニチャクラ。
チンタは『願望』を意味し、マニは『宝珠』を指し、チャクラは『円』ので如意宝珠法輪を意味する。
これを略して如意輪といい、六本の手で右手は頬に当て、右膝を立て、両足裏を合わせる輪王座という姿勢をとる。
人々を苦悩から救い、その願いをかなえてくれるという。
如意宝珠は思うがままに珍宝だし、苦しみを取り除くといわれる。
密教法具は煩悩を打ち砕き、法輪を持つことで役割を明らかにしている。


三井寺(園城寺)・
如意輪観音坐像

談山神社・如意輪観音坐像

 

岡寺・如意輪観音坐像

 

 

●文殊菩薩:智慧の象徴

あの「三人寄れば文殊の知恵」の文殊さまで、智を司る菩薩。
文殊菩薩は、舎衛国のバラモンの子で釈尊滅後の実在の人物といわれる。
釈迦如来の代表的な眷属で、普賢菩薩とともに釈迦如来の脇侍菩薩。
文殊菩薩の髪型は一髻、五髻、六髻、八髻と数種類の髪型がある。
それぞれに一字文殊、五字文殊、六字文殊、八字文殊と呼ばれる。
ちなみに一字文殊は『増益』、五字文殊は『敬愛』、六字文殊は『調伏』、八字文殊は『息災』の修法の本尊として迎えられる。
また、「八大童子」という眷族がつく。

◇八大童子: 光網童子(こうもうどうし)・不思議慧童子(ふしぎえどうし)・無垢光童子(むくこうどうし)・髻設尼童子(けしにどうし)・烏波髻設尼童子(うばけしにどうし)・救護慧童子(くごえどうし)・地慧幢童子(じえとうどうし)・請召童子(しょうじょうどうし)


金戒光明寺・文殊菩薩

 

 

●普賢菩薩:行の菩薩

サマンタとは普くを意味し、バドラとは賢いを意味する。
普賢とは、『普遍の教え』とういう意味で十方世界に普く現れ方便を持って人々を救う観音。
釈迦如来の眷属で、文殊菩薩とともに釈迦如来の脇侍。
像容は色々な種類があるが、霊獣である白い像に乗り、頭に五智宝冠をかぶって、合掌しているのが一般的。


●虚空蔵菩薩:求聞持法の本尊

虚空のような無量の功徳を蔵するという意味で、人々の様々な願いをかなえてくれる菩薩。
頭には五仏のついた宝冠をつけている。
右手に剣を持ち、左手に宝珠を持つのが一般的。
同じ智慧の仏である文殊は物事を判断する判断力などの知恵で、学問の知恵や記憶力等は虚空蔵菩薩が司る。
また、虚空蔵菩薩の知恵は芸術や技術にも及ぶとして、職人や芸術家の守り本尊でもある。


神護寺・蓮華虚空蔵菩薩像


●地蔵菩薩:無仏時代の救世主

クシティは地を意味し、ガルバは胎を意味するという事で、大地を包蔵するという意味。
地蔵菩薩は釈迦入滅後、56億7千万年後に弥勒菩薩が現れるまでの間の無仏世界の六道輪廻する人々を救うという菩薩。

六道とは、
 三悪道:地獄道・餓鬼道・畜生道
 三善道:修羅道・人間道・天道

この世で悪行を繰り返せば畜生や地獄に生まれ変わり、善い事を積み重ねれば天に生まれ変わる。
これを六道輪廻と呼ぶ。
地蔵菩薩は、娑婆世界を守ることが使命で、六道の入口に立ち人々を教化すると考えられ、一つの世界に一体ずつ地蔵を配した六地蔵が作られた。

◇六地蔵: 大定智悲地蔵・大徳清淨地蔵・大光明地蔵・清淨無垢地蔵・大清淨地蔵・大堅固地蔵


六波羅蜜寺・地蔵菩薩像(運慶作)


●勢至菩薩:阿弥陀の補佐役

大勢至菩薩、得大勢至菩薩ともいう。
「偉大な威力を得た者」という意味のサンスクリット語の名前をもつ。
人々の無知を救う仏の知恵を表す。
単独像として造られることはほとんどなく、阿弥陀如来の脇侍として聖観音菩薩ともに一対をなす。
頭には小さな水がめをつけている。


●魚籃(ぎょらん)観音菩薩

頭髪を唐様の髷に結った乙女の姿をした観音像


滋賀県木之本町・戸岩寺:
魚籃(ぎょらん)観音菩薩

 

 

●雲中(うんちゅう)供養菩薩


平等院・雲中供養菩薩像


 

 

 

 

 

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